珪藻土は発ガン性物質?
答えは違います。
WHO(世界保健機構)傘下のIARC(国際ガン学会)はすべての珪藻土
(原土、乾燥品、焼成品、融材添加焼成品)を非結晶性シリカに分類しており、
非結晶性シリカはグループ3(人に対して発がん性を分類できない)に位置づけられて
います。
WHO(世界保健機構)の傘下のIARC(国際ガン学会)による発がん性物質の分類
グループ1A 人に対して発ガン性を示す
グループ2A 人に対しておそらく発ガン性を示す
グループ2B 人に対して発がん性を示す可能性がある
グループ3 人に対して発がん性について分類できない
グループ4 人に対しておそらく発ガン性を示さない
珪藻土はシリカ(*1)分を含み、シリカは大きく2つに分類される。
・結晶性シリカ 石英・クリストバライト
・非結晶性シリカ シリカゲル・珪藻土(原土、乾燥品、焼成品、融材添加焼成品) |
ではいったい何が問題となっているのでしょうか?
もともと珪藻土は非結晶性シリカですが建材にするため焼成すると一部が結晶性シリカに
変化する場合があるということ。
この結晶性シリカがIARCではグループ1(人に対して発ガン性を示す)に位置づけられて
いるのです。
ただこれは職業的に長期間高濃度の粉じんを吸入する場合に限定されています。
このような環境ではじん肺(*2)にかかりやすくなり、肺がんを併発する可能性が高まるという
意味になります。
いろいろ調べた結果当店では住宅での使用は問題ないという見解を持っています。
少しお話しますと、
各メーカーどの位結晶性シリカが含まれているのかは明らかにしていませんが、
結晶性シリカに変化してしまった珪藻土は吸湿性を失ってしまうということが言われています。
すなわち建材として使われる珪藻土の全組織が変化してしまっているとは考えにくいということです。
また一度固まった珪藻土壁が、粉体を長期に渡って浮遊させることはその組成からして
無理ということも言われています。
珪藻土はたくさんのすぐれた機能をもっています。
ただ焼成珪藻土には結晶性シリカが含まれているのも事実です。
それをどうお考えになるかはお客様の判断にお任せしたいと思います。
情報としてつけ加えさせていただくと、焼成珪藻土を最も多く使っているのは濾過材として
ビールメーカーです。食品に使った場合、壁に塗ってある以上に直接吸引する危険もあり、
塗り壁以上に大問題になるはずではないでしょうか。
(*1)シリカ
二酸化珪素で構成されている物質の総称。地球上の表層の60%を占めている。
土、石砂の主成分で建築、工作物にも多様されている身近な物質。
(*2)じん肺
粉じんを長期に渡って吸い続けることで肺内に粉じんが蓄積し、肺胞などの組織が固くなって
繊維化し肺としての機能をしなくなる病気。原因により石綿肺、溶接肺、珪肺などがある。
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